症例・治療紹介

開門橋テクニック(ケース1)

次にGBR後にインプラントを埋入したケースを紹介する。

天然歯で重篤な歯周病に罹患した7番である。CTによる診断で上顎洞間に一部骨喪失を伴う大きな骨吸収がある。上顎洞は洞内がいっぱいになるほど粘膜は肥厚している。結果的に解ったのはこれも原因であっただろうけれども6番の根管にも原因を有していた。

7番を抜歯し先ほどのケース同様、炎症性肉芽を持ち上げてクロスマットレスで縫合する。


(抜歯直後、炎症性肉芽を持ち上げて縫合したところ)

10日めで抜糸を行い上皮の熟成を待つ。約2週でGBRを行う。このケースの場合も、下顎枝より自家骨を採取してPRPと共に使用した。かなりの欠損のため5ヶ月待時した。

あとは通方にしたがってインプラントを埋入し補綴していった。

ただGBRであるが肥厚した粘膜に突き刺さった太いパイプのように CTでは見てとれる。実際インプラント埋入時のCTでは洞内の自家骨はどこかにいったか吸収されたか?写っていない。埋入はソケットリフト(XiveBoneCndenser)で行ったが充分しっかりした感覚で埋入できたが、このときも上顎洞炎は消沈していなかった。

(10日後抜糸時)

(DrawBr.Technichでフラップを開いたところ)

(インプラント埋入直前のX線フィルム)

(インプラント埋入時)

(アバットメント装着。PVRで歯肉形態の確立修正)

(ジルコニアクラウンの装着)

(装着時のX線フィルム)

(6番根管治療Cr装着後、治癒機転にある上顎洞炎とインプラント周囲の化骨のCT画像)

約3ヶ月後に頭出しをおこなう。この時に行った振動テスト(PERIOTEST Medizintechnik Gulden)は-2で充分な強度であったが、まだ上顎洞炎はそのままで改善は見られなかった。なんら自覚症状は訴えられてはいなかったのだが理由を説明し感覚は残っていたが6番を根管治療させて頂いた。

その結果、最新のCTで見ると6番7番の上顎洞炎は完全に治癒し、インプラント周囲に写っていなかった自家骨が残って機能しているようにみえる。ただ充分な量の自家骨を充填したにもかかわらず最終的には不足している。やはりこれは一部吸収されたものと思われる。

上顎洞をさわるならこのような「終わり良ければ」的なことは避けたいものである。先にその周辺の整備に努めていくのは当たり前のことである。ただ上顎洞炎内にGBRすると全く駄目という訳でなく填入した骨の吸収量は予測できないまでも、原因歯を特定して根治につなげれば、機能するに充分な量の骨も残せそうである。

(6番7番のCrの装着)